TALK WITH PARK
美味しいケーキを伝えるために一緒に歩んできた10年
トークする人
JUN / FROMAGERIE FROMAGE-N
オーナーパティシエ 松田 淳 (まつだ じゅん)様
株式会社パーク
代表取締役 小林 永
パーク小林
淳さんとの出会いは約10年前、知人のご紹介がきっかけで『ラ・メゾン ド ジュン』クリスマス用のパンフレットを作らせて頂いた時からですね。
淳さん
デザインを外部に依頼するというのが、その時が初めての経験だったので。それまでチラシなんかは、自分たちでほとんど手作りをしていたので、今までのクリスマスパンフから比べると、すごくデザインチックになったなあと、感じたことを覚えています(笑)。
自分たちだけで作るのではなく、違う視点が入ることは多くのお客様に普及するためには、良いことだなと思いました。
パーク小林
それがきっかけとなって、Taktの誌面広告を定期的に出していこうという話になって、密に話し合う機会が増えていきました。デザインだけでなく、広告の戦略を提案できるようになってから関係性が深くなった気がします。

淳さん
オープン当初から店舗の設計も販促ツールも、デザイナーが入ったことがなかったんです。それほど自分の中でイメージを持っていたのですが、小林さんと出会って、こっちからの一方通行で依頼するのではなく、「議論」できるようになったのは、僕の中でも良い意味でターニングポイントでしたね。
パーク小林
淳さんが創業当時から大事にしていらっしゃる「おいしさを超えた感動」というフレーズをどう表現するか、いろいろな広告を作らせてもらいましたが、うちの子どもが小さい時に、息子がケーキを美味しそうにほおばっている写真を広告で使ってもらったんです。それまでは卵アレルギーで他のお店ではケーキが食べられなくて、初めて食べてくれた思い出のお店でもあるんです。
淳さん
それまで広告屋さんのイメージって、ちょっと小難しいというか融通が効かないという様なイメージがあったんですが、こちらの意図を汲んでそれなりの答えを持ってきてくれました。僕たちはケーキを作るプロ、小林さんは販促物や広告を作るプロ。信頼関係がだんだんと出来上がっていきました。
パーク小林
その後に、「カタログギフトを作りたい」と淳さんから提案があって、時間をかけて話し合って完成することができました。それからは、ホームページやパンフレット、ショップカード、チラシなど、作らせて頂いたもので言えば数え切れないほどたくさんあります。

淳さん
昔は、ただ美味しいものを作っていれば売れていた時代もありました。けどもうそんな時代ではなくなっていて、JUNの売り上げを上げるためにどんな仕掛けをしていくべきか、どの方向性で持っていくか、などすごく相談に乗ってもらっています。小林さんはコネクションもアイデアも持っているので心強いと感じています。
「映画館で流れるシネアドを出しましょう」という提案を受けた時は、こちらにそんな発想がなかったので効果があるのかな…と不安はあったのですが、これがすごく反響があって、それから富山の街で声を掛けられる機会が増えたんです(笑)。
パーク小林
淳さんの通っているジムで声をかけられたって言っておられましたよね?でもその出会いから、またその方の会社と取引がスタートしたりもして、そういった縁が繋がっていくのも嬉しいですね。
淳さん
そう。スポーツジムにいる時に声を掛けられて(笑)。
パーク小林
何が起こるかわからないですね(笑)。けど、パークのお客様同士が広告を通じて出会われて、それがきっかけで仕事でコラボまで生まれるというのは、広告代理店冥利に尽きるというか、とても嬉しいですね。
YouTube、ポップアップへの出店。新しいジャンルへの挑戦。
淳さん
昨年の4月にチーズケーキと紅茶のテイクアウト専門店『フロマージュリー フロマージュン』をオープンするタイミングで、YouTubeを立ち上げたんです。
最初はチーズケーキへのこだわりや出店のきっかけなどを知ってもらいたくて自分なりに喋っていましたが、それだけだと見てくれる人も飽きてくる。そこで、いろんな人を招いてやりとりをしながら膨らませていきたいと思って、いろいろ試行錯誤していますが、お菓子作りの技術にしても、昔ながらのストーリーも交えながら伝えたり、見ている人が面白いと思える内容にしていきたいなと。もうちょっとで一年経つので、パークさんと作戦を練っているところです。
パーク小林
淳さんはとても話好きな方なので、お店は高級なイメージがあるけれど、淳さんの考え方やこれまでやってきたことを、この先10年、20年継続して見せられたらすごく面白いコンテンツになるんじゃないかと。偉人伝じゃないけど、その軌跡を残せたら良いなと思っています。
淳さん
ブレているわけじゃないけど、高級なJUNブランドをやっていきたいって気持ちと、万人受けして誰でも食べられるお菓子を作っていきたいって気持ちがあって。いろんな人から、「800円のケーキとか、高級ラインだけでもいけるじゃない?」と言われることもよくあります。もしかしたらそれで行けるかもしれないけど、ただそこだけじゃないよな、というのが僕の考えなんです。
パーク小林
いろんな人に「美味しいケーキ」を食べてほしいという思いが伝わってくるので、そこに僕自身も共感している部分はあります。僕の仕事はあくまで商業目的で、クライアントの意向を汲むことがまず第一。淳さんも考え方は一緒で、「俺の作品はこうだ」という考えではなくて、人の求められていることに合わせられる人だから、理解し合えるのかなと思っています。
淳さん
今までにはなかった新しい取り組みとして、昨年からポップアップで出店を始めています。ファボーレの平和堂さんもイオンさんも、そしてうちもお客さんも、誰もが納得できるくらいの出来だったと手応えを感じています。11月はイオンさんのブラックフライデーも重なって、本当に大盛況でした。それも小林さんの提案でした。
結局やったもん勝ちだなと。「ショッピングセンターに出すとブランドイメージが…」というお店もあるけれど、それなら安っぽくならない出方をすれば良い。そこで高齢の方に初めて知ってもらって、お店に来てくれるようになったり、ということがすごく嬉しいんです。

パーク小林
そういう提案もめちゃ聞いてくれるので、こちらとしてもありがたいです。ブランディングを崩しすぎずに、裾野を広げていく。そこがこれからは大事だと思っています。あと、スタッフさんが本当に素敵なので、場が明るくなるし、年配の方とも笑顔で接している姿を見て、テナント側からも喜ばれます。
淳さん
創業して23年目。その頃に生まれて、うちのケーキを小さい頃から食べてくれた子が、入社してきてくれているんです。「JUNが好き」で働いてくれるって嬉しいですよね。
小林さんとも、10年の付き合い。あの時には、こんなたくさんのことが一緒にできているとは思っても見なかったですね(笑)。一通りやったけど、CMも、オンラインショップもまだまだこれから挑戦することはたくさんありそうですね。
パーク小林
淳さんからビジネス的な視点を学ぶことは多いんで、感謝するばかりです。期待に応えるためにも、新しい感覚のスタッフも育てたり、発掘していくのもパークの使命だと思っています。
淳さん
これからもよろしくお願いします。いつかは遊びに行きましょう(笑)
