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広報展開のアイデア【病院・クリニック編】

こんにちは、プランナーの苅部(かるべ)です。 前回、読まれる広報誌の作り方についてお話しましたが、 今日はさらに細かく業種・業態に特化した「広報展開のアイデア」をご紹介したいと思います。

今回は、医療「病院・クリニック編」です。

病院における広報で大事なのは、ターゲティングです。 広報業務を行ううえで、主に「患者向け」、「地域住民向け」、「医療機関向け」、「職員向け」の4方向で考える必要があります。

患者さんに対する広報

患者向け 広報手段の例:院内サイネージ、広報誌、HP、広告、取材対応、イベントなど
広報のポイント:施設、診療内容、医師、看護師や薬剤師などそれぞれの職種のスタッフなど

患者向け広報のポイントは、「伝えたい情報・患者さんが知りたい情報をわかりやすくPRする」ことです。 例えば、専門性のある診療についてホームページで見やすくわかりやすく紹介するなど。 「〇〇病院っていい病院だよね」、「〇〇病院で診てもらっているから安心だよ」という反応をいただけることが大切です。 まずは、来院する方の年齢層や性別、疾患などを分析したうえで、診療内容や担当医師、取り組みを伝えたい相手を絞るというマーケティング作業も必要です。 伝えるべき対象と伝えたい内容が見えてきたら広報手段を選択します。 広告を出す場合は費用対効果を踏まえた媒体選び(テレビ、雑誌、ラジオ、新聞など)も重要です。 そして、実際に患者さんが訪れた時には院内のサイネージも重要な役割を果たします。人間ドックやがん検診などの案内を出すことも有効でしょう。

地域住民に対する広報

広報手段の例:チラシ、HP、広告など
広報のポイント:人間ドックや健康診断、がん検診、診療に関する最新情報など

検診で病気を予防、あるいは早期に発見することによって、地域住民自身の健康維持に貢献することができます。自院の適切な情報や考えも伝えるコミュニケーションをとりながら、受療行動を変容させるアプローチが必要となってきます。

医療・介護・福祉施設に対する広報

広報手段の例:リーフレット、HPなど
広報のポイント:施設、診療内容、医師、診療体制など

地域医療連携が重要視されている今、医療機関向けの広報も重要な役割となっています。 医師のスケジュールの共有や新たな医療機器導入のおしらせなど、連携面を強化する取り組みを行いましょう。 そうすることでスムーズな紹介、逆紹介に繋がり、患者さんの早期治療にも役立ちます。 自院の専門性やトピックスを整理して、定期的な情報発信・情報交換を心がけましょう。

職員に対する広報

広報手段の例:院内報、HPなど
広報手段のポイント:病院の取り組み

特に、総合病院のように診療科が多い病院では、各部署の情報を院内スタッフも把握できていないという課題をよく耳にします。 それを解決するためには、各診療科が力を入れて取り組んでいることなどを共有できるよう職員に見てもらえるような情報発信をしましょう。 組織全体に共通の目的意識を醸成させ、コミュニケーションを活発化させることも広報の大切な役割です。 また、「これまで電話で予約をとっていた」方法を「WEB予約」に切り替え、それに関して広報活動をしたりすることで、 職員の業務負担を軽減できるほか、患者さんのメリットにもつながります。

広報活動をする上での注意事項

広告や表現の規制 新規の患者数を増やすためのPR戦略として、チラシや雑誌、テレビ、看板などへ広告を出稿することも一つの手段ですが、広告可能な事項は限定されています。厚生労働省が施行している医療広告ガイドラインをしっかりと遵守し、正しい情報をわかりやすくPRしてください。

また、ホームページも規制の対象になっているのでこちらにも注意が必要です。 院内掲示の注意事項 「保険医療機関の標示」や「入院基本料に関する事項」など患者さんの目に入りやすい場所に必ず掲示しなくてはいけない項目もあるので、それらがしっかりと成されているかを確認しましょう。【院内掲示義務について(医療法第14条の2)】

ちなみに、病院広報の手段としては、次のようなものがあります。 メリット・デメリットを精査して、必要なものを取り入れてみてください。

マーケティング手法(ツール)の例

区分 媒体 目的・効果(病院の場合)

 広告

看板広告、交通機関内掲示、地域イベント協賛誌等 目的は院名や場所を覚えてもらうことだが、直接的な患者誘引効果は大きくない
テレビ・雑誌・新聞・ラジオ
広い認知を期待できるが、PR内容次第では規制も多い
ホームページ 最新情報に随時更新可能だが、パソコンがないと見ることができない
 広報誌掲示板
院外報、院内掲示板、診療案内
深く伝えたいことを伝えることができるが、広報対象は少数に限定される
 イベント 病院祭 、 音楽コンサート 、イベント協賛 イメージアップになる。直接的な患者誘引にはならない
 口コミ   医療機関にとって最大の広報効果があるが、悪いうわさも広まりやすい
 SNSなど メルマガ配信、Facebook、Twitter、LINE、YouTubeなど
発信する内容次第では受け手の心を掴みやすいが、発信していることにどのように気づいてもらえるかがポイント

パークでは、病院における広報展開の企画・運用(ホームページ作成、広報誌作成、イベント運営)や、広報の課題解決のサポートも行っていますので、ぜひご相談ください!